不動産販売図面の作成方法と活用術!魅力的な物件紹介のポイントを徹底解説

この記事を書いた人
井口
不動産会社を経営。これまで自身でも取引総額100億円以上の売買仲介を成約させた経験から、新人営業担当向けに情報発信中
✔公認不動産コンサルティングマスター
✔MBA(経営学修士)
✔ファイナンシャルプランナー
✔パーソナルファイナンス教育インストラクター
✔剣道7段

こんにちは。「不動産営業の教科書」こと株式会社アスパートナ―の井口(@fukuoka_fudosan)です。

不動産の販売において、物件の特徴や価値を的確に伝える手段として、販売図面は欠かせない存在です。不動産業界では「マイソク」と言うこともあります

(各企業の販売図面)

的確に情報を伝える販売図面は作り手側の能力も問われます。

しかし、ただ情報をまとめるだけではなく、購入検討者にとって魅力的な販売図面を作成するにはどうすればよいのでしょうか?

この記事では、販売図面の作成方法から写真撮影のポイント、さらにはセールスポイントの活用までを詳しく解説します。購入検討者の興味を引きつけ、効果的な販売図面を作成するヒントをぜひご確認ください。

こんな人にオススメ
・不動産営業を始めたばかりの人
・毎月10件以上売買仲介を成約させたい人
・売上を伸ばして年収をアップさせたい人
・販売図面の作成方法を知りたい人

【この記事は動画でも解説しています】

それでは解説していきます。

物件概要

販売図面を作成する前に、まずは物件の概要を整理しましょう。

土地建物の詳細情報

土地の面積や建物の広さなど、詳細な情報を収集します。

井口
ここでは、物件の詳細情報を正確に図面に反映させた結果、購入検討者の理解が深まり、スムーズな取引につながった事例をお伝えします

販売図面の作成にあたっては、必ず正確な情報を記載しましょう。

過去に、販売図面の情報が誤っていたため、買主に誤認させてしまい、契約が破談になったといったケースがありました。

面積については、登記簿記載の面積を記載しましょう。マンション一室の専有面積ついては、分譲時パンフレットに記載してある壁芯面積を記載することが一般的です。

※面積を記載する際には、(公簿)○○㎡や(壁芯)○○㎡と記載しましょう。

1棟アパートや1棟ビルの場合は、建築図面や確認申請書類についても事前に確認しましょう。

これによって正確な販売図面を作成できます。

法令制限

法令制限に関しては、建築基準法や地域ごとに設定された規制など、物件が置かれている地域の法的な制約を指します。これには以下のような要素が含まれることがあります。

  • 建ぺい率の制限:土地に対する建物の建築面積の割合の上限を定めます。
  • 容積率の制限土地に対する建物の容積の割合の上限を定め、どれだけの大きさの建物を建てられるかを制限します。
  • 高さ制限:建物の高さに制限を設け、周囲の景観や日照権を守ります。
  • 用途地域:その地域で建てられる建物等の種類や大きさ等の制限を定めます。

これらの法令制限を物件の販売図面に適切に反映させることで、購入検討者はその物件がどのような制約の中で建てられたか、また将来的にどのような改築や再建築が可能かを理解することができます。

ライフライン

ライフラインとは、物件の水道、電気、ガス、下水などの基本的な設備を指します。

飲用水(公営・井戸水)、電気(電力会社)、ガス(都市ガス・プロパンガス)、下水(公共下水・浄化槽・汲み取り)などのライフライン設備は、日常生活に必要不可欠です。

販売図面にこれらのライフラインを明示することで、購入検討者は物件の実用性をより深く理解できます。

費用

不動産購入に伴う諸費用やランニングコストの情報は、購入検討者にとって重要な判断基準です。これには以下のような要素が含まれます。

  • 初期費用:登記費用、仲介手数料、不動産取得税などの物件購入時に必要な費用。
  • ランニングコスト:管理費、修繕積立金、固定資産税など、物件所有に伴う継続的な費用。

これらの費用を図面内に盛り込むことで、購入検討者は購入後の経済的な負担を予め把握し、購入の意思決定においてよりリアルな試算が可能となります。

写真撮影のポイント

販売図面には写真も欠かせません。魅力的な写真を撮るためのポイントを押さえましょう。

自然光の活用

明るい自然光の下で撮影することで、物件の魅力を最大限に引き出せます。

井口
自然光を活用した写真撮影により、物件の魅力が際立ち、興味を持つ見込み客が増加した実例を紹介します

お客様からマンション売却について「他の不動産屋で売りに出しているが中々売れない」と相談を受けました。現在の販売活動状況を確認してみたところ、販売図面やインターネットに掲載されている写真が少なく、写りもあまり良くありませんでした。

その後、弊社で販売活動を開始し、プロカメラマンが撮影した写真をポータルサイトに掲載したところ、問い合わせも多く、物件は無事成約することができました。

弊社では、プロカメラマンに物件の撮影を依頼しています。彼らは自然光を活かすテクニックに長けており、物件の魅力を引き立てる写真を撮影してくれるためです。

必ずしもプロに依頼する必要はありませんが、写真を撮影するテクニックを学び、出来るだけ良い写真を掲載するようにしましょう。

クリーンな状態

不動産の写真撮影において、物件をクリーンな状態に保つことは非常に重要です。これには以下の理由があります。

  • 視覚的魅力:整理整頓された部屋は視覚的に魅力的で、購入検討者に好印象を与えます。乱雑な状態の部屋は、その空間のポテンシャルを見落とさせる可能性があります。
  • 広さの強調:余計な物がない状態で撮影することで、部屋の広さを強調できますし、購入検討者は自分の家具や装飾をその空間に置いたときのイメージをしやすくなります。

ポイントを際立たせる

物件のセールスポイントを強調するためには、アングルや構図を工夫することが効果的です。

  • 特徴的なアングルの選択:部屋の一角から広角レンズを使って撮影することで、空間の広さや配置を強調できます。また、特定のデザイン要素や建築的特徴がある場合、それらを強調するアングルを選びます。
  • 光の利用:自然光や照明を利用して、部屋の明るさや温かみを際立たせます。例えば、日中に窓から差し込む光を利用して、部屋の快適さや開放感をアピールすることができます。
  • 焦点の設定:物件の特定の部分(例えば、新しく設置されたキッチン設備やリノベーションされたバスルーム)に焦点を当てることで、その部分の魅力を強調します。

これらの撮影テクニックを用いることで、物件の魅力を最大限に引き出し、購入検討者の関心を惹きつけることができます。

セールスポイント

販売図面と写真を活用して、物件のセールスポイントをアピールしましょう。

ロケーション

周辺環境やアクセスの良さなど、地理的な利点を強調します。

井口
ここでは、物件のロケーションの利点を図面と写真で効果的にアピールしたことで、特に通勤の利便性を求める購買者からの関心が高まった事例をお伝えします

都心部からは離れた中古マンションの販売時の事例です。このマンションは都心部からは離れていましたが、最寄り駅は徒歩5分と近く、2路線利用可能だったため、物件のアピールポイントとして掲載しました。また、都心部まで電車で〇〇分というアピールもしていました。

結果として、このマンションを購入した方は、元々は通勤利便を求めて都心部で物件を検討していた方でした。都心部まで意外と時間がかからないということと、都心部に比べて安価であるということが決め手でした。

設備・設計

不動産の販売において、物件の設備や独自の設計は重要です。例えば、以下のような点がセールスポイントになります。

  • ユニークな間取り:開放的なリビング、多機能なキッチン、ロフトスペースなど、独特の間取りは、特定のライフスタイルに合わせたニーズに応えることができます。
  • 環境にやさしい設備:省エネルギー性能や自然素材の使用など、環境に優しい設備は、特にエコ意識の高い購入検討者にアピールします。
  • 最新技術の活用:スマートホーム技術や最新のセキュリティシステムなど、最新技術を取り入れた設備は、ハイテク志向の購入検討者を引きつけます。

これらの特徴を図面や写真で強調し、物件が購入検討者のライフスタイルや価値観にどのようにマッチするかを具体的に示すことが重要です。

将来性

物件の将来性を強調することは、購入検討者にとって魅力的です。次ような情報を提供することが有効です。

  • 近隣の開発計画:新しい商業施設の建設や交通インフラの改善計画など、地域の将来的な発展に関する情報は、物件価値の上昇を示唆します。
  • 市場動向:地域の不動産市場の動向や将来的な成長見込みを示すことで、投資としての期待値を高めることができます。
  • 長期的な価値増大:地域の経済成長や人口動態の分析をもとに、物件の長期的な価値増大の可能性を示すことで、長期的な投資戦略を持つ購買者の関心を引きます。

このような情報を販売図面や写真に盛り込むことで、購入検討者は物件の現在の価値だけでなく、将来のポテンシャルを理解しやすくなります。

まとめ

販売図面と写真は、不動産の魅力を最大限に引き出すための強力なツールです。物件の概要を正確に整理し、魅力的な写真を撮影し、セールスポイントを的確に伝えることで、購買者の興味を引きつけることができます。

今回お伝えした事が、皆さんの営業の一助になれば幸いです!もし不安な点があれば、私たちにご相談ください。

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井口
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ABOUT US

井口 忠二株式会社 アスパートナー 代表取締役
明治大学商学部卒業。グロービス経営大学院卒業。 三井不動産グループ会社で8年間不動産売買仲介営業に従事。東京23区でエリアトップセールスを2年連続受賞する。東京と福岡で勤務し、5年連続優秀営業社員賞受賞。 その後、株式会社アスパートナー設立。 公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、MBA(経営学修士)、相続対策専門士、AFPファイナンシャルプランナー、損保トータルプランナー