不動産営業担当のミッションとは?プロフェッショナルへの第一歩

この記事を書いた人
井口
不動産会社を経営。これまで自身でも取引総額100億円以上の売買仲介を成約させた経験から、新人営業担当向けに情報発信中
✔公認不動産コンサルティングマスター
✔MBA(経営学修士)
✔ファイナンシャルプランナー
✔パーソナルファイナンス教育インストラクター
✔剣道7段

こんにちは。「不動産営業の教科書」こと株式会社アスパートナ―の井口(@fukuoka_fudosan)です。

井口
今回は不動産業界に入ったばかりの方にぜひ知って頂きたい、不動産営業のミッションについてお伝えしていきます。
こんな人にオススメ
・不動産営業を始めたばかりの人
・不動産営業をなぜやるか考えたい人
・不動産営業として活躍したい人

【この記事は動画でも解説しています】

不動産営業担当のミッションとは?

不動産営業担当者は、顧客との信頼関係を築き、円滑な不動産取引を支援する重要な役割を果たしています。どのような使命が彼らに課せられているのでしょうか。以下では、不動産営業担当者のミッションに焦点を当ててみましょう。

1. プロフェッショナルとしてのアドバイス

不動産は高額な取引が結びつく分野であり、売主・買主双方に関わる調整事項や金融機関との融資条件比較、売買に伴う税制など、物件の状態や環境など検討すべき要因が多岐にわたります。

例えば、

・物件の立地や築年数
・将来の発展性
・クライアントの将来のライフスタイルやビジョン

などが挙げられます。

同様に、資金面でも多様な選択肢が存在します。同じ金額であっても、金融機関によって提供される融資条件が異なり、これが月々の支払いや総支払額に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、最終的な売却時の税金も重要な要素です。営業担当は、将来の税制改正や物件の保有期間によって、クライアントにとって有利な売却タイミングを見極めることが求められます。

井口
不動産取引は大きな決断を伴います。営業担当者は、専門知識を駆使してクライアントに的確なアドバイスを提供し、物件の特徴や市場動向、将来性などお客様が納得した上で最善の選択ができるようにサポートする必要があります。。

プロフェッショナルの視点からのアドバイスは、お客様との信頼を築く基盤となります。

2. お客様の不安や疑念を払拭

 

不動産購入には多くのリスクが潜んでおり、お客様も不安を抱えています。これらの不安や疑念を払拭することが非常に重要です。過去の経験として、お客様のご家族が急な相続に直面し、納税の期間的猶予が極めて短い状況でご相談を受けたことがありました。

この厳しい状況においても、お客様の本当に求めている解決策をヒヤリングし、以下の2案を提案しました。

案①:早期に売却して納税資金を確保する。
   ただし、相場よりも安くなりますが、延納手続きを行わずに済み、利子税が発生しません。
案②:延納を選択し、多少の納税猶予を実施した上で、通常の取引市場で売却を目指す。
   ただし、利子税が発生します。

今回、お客様は案②案を選択し、結果として案①よりも数百万円高く不動産を売却できました。

井口
その理由は、お客様が一時的な利益よりも、将来的な状況を長期的に見据え、より大きなメリットを得ることを望んでいたからです。

お客様は、急な相続による納税の猶予が短かったため、早期に売却することで納税資金を確保できるというメリットも認識していました。

しかし、お客様は将来的な取引市場でより高い相場での売却が可能であることを理解し、その見通しを考慮して案②を選択しました。

この選択により、一時的な損失が生じる可能性はありましたが、最終的には数百万円高く不動産を売却することができ、お客様の将来の資産価値を最大限に引き上げる結果となりました。

補足
売却後の手取り金額が大きい②案を提案した背景

営業担当者は、お客様の疑問に真摯に向き合い、解決策を提供する役割を果たします。透明性のある説明や正確な情報提供を通じて、お客様の不安を解消する努力が欠かせません。お客様の安心感を築くことが不可欠です。

急な相続により発生した納税の期間的猶予が極めて短かったためです。早期に売却することで、確実に納税資金を確保することが可能でしたが、この迅速な取引が、通常の取引市場での相場よりも安い価格での売却という形で現れました。

お客様には、急な状況において最も安定した手段である早期売却を提案し、それによって生じる価格の低さは、緊急性と引き換えに発生するものと説明されました。この選択は即金性と手続きの迅速さを優先するケースにおいて一般的ですが、お客様は将来的な市場の動向を考慮し、より良い結果を得るために他の選択肢も検討しました。

 

3. 取引の安全性を確保

不動産取引において、建物の取引には融資担保が難しくなる場合があります。また、建築基準法や都市計画法に違反する建物が存在し、これらは違反建築物として相場よりも低い価格で取引される可能性があります。

井口
将来の売却において生じるこれらのデメリットを、不動産会社はお客様に正確に説明し、納得いただいた上で売買仲介を行うことが必要不可欠です。

また、不動産取引には潜在的なリスクが存在しますが、営業担当者には以下のような具体的な取り組みが求められます。

  • 契約内容の明確化: 取引の際、契約書の内容を明確にし、お客様との納得が得られるようにします。特に法的なポイントや注意事項を分かりやすく伝え、お客様がきちんと理解した上での契約を目指します。
  • 法的手続きの適切な管理: 取引プロセスにおける法的な手続きは正確に遂行されるべきです。土地や建物の権利関係、法的な制約などを徹底的に確認し、問題が発生しないようにします。
  • 必要な書類の整備: 取引に必要な書類は適切に整備され、不備や漏れがないように注意が払われます。これにより、後々のトラブルを防ぎ、円滑な取引が実現されます。

これらの取り組みにより、お客様の信頼に応えるために高い専門性が発揮され、スムーズで安全な取引が実現されます。

まとめ

不動産営業担当者の使命は、専門的な知識と経験を駆使して不動産取引においてクライアントに的確なアドバイスを提供し、お客様の不安や疑念を解消し、取引の安全性を確保することです。

特に、建物の取引においては融資担保が難しくなる場合や、法令違反が生じる可能性がある点について注意深く説明し、将来のデメリットを透明かつ理解しやすく伝えます。また、契約内容の明確化や法的手続きの厳密な管理、必要な書類の整備などの具体的な取り組みを通じて、取引の安全性を最大限に高めます。

これらの役割を果たすことで、信頼性の高いサービスが提供され、お客様との長期的な信頼関係が築かれるでしょう。不動産営業担当者はお客様の立場に立ち、細やかなサポートを通じて、安心感と満足度を提供することが重要です。

今後も私たちはブログやYouTubeを通して情報発信していきます。こうした場を利用して学びを深め、よりスムーズに取引ができるようになって頂ければと思います。

もし不安な点があれば、私たちにご相談ください。今回お伝えした事が、皆さんの営業の一助になれば幸いです!

当メディア「不動産営業の教科書」では、不動産営業の方々に役立つ情報をお伝えしていきますので、ぜひYouTubeチャンネルや、別の記事も参考にしてみてください。

※お問い合わせ 営業研修、セミナーなどのご依頼はこちらのコンタクトフォームよりご相談ください。

井口
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ABOUT US

井口 忠二株式会社 アスパートナー 代表取締役
明治大学商学部卒業。グロービス経営大学院卒業。 三井不動産グループ会社で8年間不動産売買仲介営業に従事。東京23区でエリアトップセールスを2年連続受賞する。東京と福岡で勤務し、5年連続優秀営業社員賞受賞。 その後、株式会社アスパートナー設立。 公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、MBA(経営学修士)、相続対策専門士、AFPファイナンシャルプランナー、損保トータルプランナー