こんにちは。「不動産営業の教科書」こと株式会社アスパートナ―の井口(@fukuoka_fudosan)です。
優れた不動産営業を実現し、お客様の満足度を向上させるためには、適切な提案が不可欠です。
この記事では、お客様満足度を高めるための4つのポイントをご紹介します。これらのポイントを守りながら、お客様との良好な関係を築き、より良い不動産取引を実現しましょう。
・毎月10件以上売買仲介を成約させたい人
・売上を伸ばして年収をアップさせたい人
【この記事は動画でも解説しています】
目次
優先順位を明確にする
要望を整理し、優先順位を尋ねる
希望条件を確認し、優先順位を明確にしてください。
居住用のマンションの購入を検討しているお客様で、初回の面談において希望条件を確認したところ、予算内かつ希望エリアで全ての条件に合致する物件の提案は難しいことがわかりました。
・駅から徒歩5分以内
・80㎡以上
上記ご希望の中から予算の引き上げは難しいと判断し、優先順位を確認したところ
②80㎡以上
③築10年以内
とのことでした。
そこで築25年程でしたがリフォームした駅から徒歩5分以内の物件を提案したところ、とても気に入られて成約いただくことができました。
条件に合った物件を選定
条件に合った物件を選定する際、不動産営業担当は以下のようなステップを踏むと良いでしょう。
- 顧客のニーズと予算の明確化:初回の面談を通じて、顧客が求める条件(立地、価格、広さ、築年数など)を詳細に把握します。また、実際の予算範囲も確認します。
- 市場調査:顧客のニーズに合致する物件が市場に存在するかどうかを調べます。この段階では、複数のリソースを活用し、広範囲にわたる物件情報を収集することが重要です。
- 物件選定の基準の設定:顧客から聞き取った条件と優先順位に基づいて、物件選定の基準を設定します。例えば、駅からの距離が最優先事項であれば、その条件を満たす物件から選ぶことになります。
- 物件の提案と見学:選定基準に合致する物件をピックアップし、顧客に提案します。提案する際には、物件の特長だけでなく、周辺環境や将来の価値についても説明します。また、可能であれば物件の見学を手配し、実際に顧客に確認してもらいます。
- フィードバックの収集と調整:物件見学後、顧客からのフィードバックを収集します。顧客の意見や追加の要望に基づき、再度市場調査を行い、より適切な物件を探します。
- 成約に向けたサポート:顧客が物件に満足し、購入を決定した場合は、契約手続きやローンの相談など、成約に向けたサポートを提供します。
このプロセスは、お客様とのコミュニケーションを密にし、顧客の要望を細かく把握することが重要です。お客様のニーズに応じた柔軟な対応と、市場情報の正確な把握が、成功への鍵となります。
適切な提案件数を調整
物件提案の件数は、お客様の要望に合わせて調整することが重要です。多すぎる提案はお客様を圧倒し、選択肢を絞り込むのが難しくなる可能性があります。一方で、提案が少なすぎると、お客様のニーズに合致する最適な物件を見逃すことになりかねません。バランス良く提案することで、お客様の決断を促しましょう。大事なポイントは主に2つです。
要望に合致する物件を選ぶ
お客様の具体的なニーズや条件に基づいて、物件を厳選することが重要です。例えば、予算、立地、間取り、設備など、お客様の具体的な要望に合わせて選定します。これにより、お客様の時間を節約し、物件選びのプロセスを効率化できます。
関心を重視した提案
お客様の関心や好みに基づいて物件を提案することで、より高い満足度を得ることができます。例えば、家族構成やライフスタイル、趣味趣向に基づいて、特定のエリアや特徴を持つ物件を選定します。これにより、お客様が真に興味を持つ物件に焦点を当て、より個別化されたサービスを提供することが可能になります。
適切な提案件数の調整と、お客様の関心を重視した提案により、不動産取引における顧客満足度を大きく向上させることができます。
メリットとデメリットを明確に解説
提案する物件の利点と課題を客観的に説明しましょう。
客観的な情報提供
物件の利点やデメリットを正直に伝えましょう。
あるお客様に中古一戸建てを案内していた時のことです。
物件のメリットについて、客観的かつ詳細に説明しました。広いリビングエリア、南向きの窓からの良好な日当たり、新しく改装されたキッチンなどを挙げ、これらがお客様の希望にどのように合致しているかを説明しました。
同時に、物件のデメリットについても触れました。例えば、周辺の騒音の可能性や、一部屋の収納スペースが限られていることなどを率直に伝えました。これにより、クライアントには物件の良い面だけでなく、潜在的な課題も理解してもらえました。
メリットとデメリットを正直かつ詳細に説明したことで、お客様は提案に対して信頼を寄せ、より満足度の高い意思決定ができました。
具体的な事例で説明
具体的な事例で説明することは、お客様が物件のリアルなイメージを持つ上で非常に重要です。このアプローチにより、お客様はメリットとデメリットを現実的な文脈で理解し、購入に際してより情報に基づいた意思決定ができます。以下に、このプロセスを具体的な事例を交えて詳しく説明します。
あるお客様が、都心に近い立地の物件を探していました。特に、通勤の利便性と生活の質を重視していました。以下のように、物件の提案時に具体的な事例を用いて説明しました。
- 立地:都心に近く、主要なビジネス街へのアクセスが良好。毎日の通勤時間を大幅に短縮できます。
- 施設:物件から徒歩圏内にスーパーマーケット、レストラン、公園があり、日常生活が非常に便利です。
- 設備:最新のリノベーションが施されたキッチンやバスルームなど、快適な生活空間を提供します。
- 価格:立地の良さと設備の充実を反映して価格が高め。予算を見直す必要があるかもしれません。
- 騒音:都心に近いため、夜間でも交通の騒音がある可能性があります。騒音に敏感な方にとっては考慮すべき点です。
この提示により、お客様は物件のポジティブな面だけでなく、潜在的な問題点についても具体的なイメージを持つことができました。
最終的に、このお客様は、自身のライフスタイルに最も合致する物件として、都心近くのこの物件を選びました。物件選定の際、デメリットを含めた全ての情報を正直に共有したことが、お客様からの信頼を勝ち取り、満足度の高い購入に繋がったと評価されました。
専門用語をわかりやすく解説
専門用語を分かりやすい言葉で説明して、お客様に理解しやすくしましょう。
あるお客様が投資用不動産購入を検討しており、お客様は不動産の専門用語に不慣れで戸惑っているようでしたので、分かりやすい言葉で専門用語を説明することに焦点を当てました。
例えば諸費用に関して、仲介手数料、登記費用、固定資産税等について、どういった費用かを説明し、他にも融資に関して団体信用生命保険や変動金利、固定金利等について説明を行いました。また、利回りやキャッシュフローといった投資に関する専門用語についても入念に説明しました。その際に何か分からない点や疑問に思っていることがあれば、どんどん質問するよう促しました。
その結果、そのお客様は不動産投資に関する理解が深まり、その後も積極的に不動産投資を行っていただけるようになりました。
まとめ
今回は、不動産営業が顧客の信頼を獲得し、満足度を高めるための効果的な方法をお伝えしました。顧客のニーズに対する深い理解と適切なコミュニケーションを通じて、成功へと導くことが可能です。
今回お伝えした事が、皆さんの営業の一助になれば幸いです!もし不安な点があれば、私たちにご相談ください。
また当メディア「不動産営業の教科書」では、不動産営業の方々に役立つ情報をお伝えしていきますので、ぜひYouTubeチャンネルや、別の記事も参考にしてみてください。
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また、この度「不動産営業の教科書」が電子書籍になりました。ブログでは伝えきれない基本的な事や、不動産営業のプロとして知っておきたい事など、私が不動産営業を始めたばかりの時に知りたかった事を存分に載せています。
✔公認不動産コンサルティングマスター
✔MBA(経営学修士)
✔ファイナンシャルプランナー
✔パーソナルファイナンス教育インストラクター
✔剣道7段