不動産営業で月に10件以上契約を結ぶノウハウ3選

この記事を書いた人
井口
不動産会社を経営。これまで自身でも取引総額100億円以上の売買仲介を成約させた経験から、新人営業担当向けに情報発信中
✔公認不動産コンサルティングマスター
✔MBA(経営学修士)
✔ファイナンシャルプランナー
✔パーソナルファイナンス教育インストラクター
✔剣道7段

こんにちは。「不動産営業の教科書」こと株式会社アスパートナ―の井口(@fukuoka_fudosan)です。

不動産売買は、やりがいのある仕事ですが、非常に大変な仕事でもあります。しかし、ノウハウを身につけて努力を続ければ、毎月安定的に契約を結ぶことが可能になります。

そこで今回は、私が毎月10件以上契約ができるようになった方法をお伝えしていきます。

こんな人にオススメ
・毎月10件以上売買仲介を成約させたい人
・売上を伸ばして年収をアップさせたい人
・圧倒的な成果を出したい人
【この記事は動画でも解説しています】

月に10件以上契約を結ぶために大切な事

不動産営業で月に10件以上契約を結ぶためには、時間の使い方がとても重要です。なぜなら、不動産営業は、お客様との信頼関係を築き、ニーズを理解し、最適な物件を紹介するといった、多くの時間と労力を要する仕事だからです。

時間の使い方を効率化することで、より多くのお客様に接することができ、契約の可能性を高めることができます。そこで今回は、主に時間の効率化という観点で皆様にノウハウを紹介していきます。

時間を効率化する方法

不動産営業で時間の使い方を効率化するには、タスクの優先順位をつけたり、スケジュールを管理したり、最新のITツールを活用したりと様々なノウハウがあります。

今回は、私が月に10件以上契約を結ぶことが出来るようになった時に、特に工夫したことについて順に紹介していきます。

特に月に10件以上の成約となると、一つ一つの作業をいかに効率化するかがポイントとなってきます。

ポイント1:売買契約の効率化

不動産営業は、お客様以外にも銀行や司法書士など、様々な関係者とのやり取りがあります。

そのような方々との書類のやり取りなどを見直す必要があります。

まずは売買契約のご案内書についてです。

井口
例えば、ご案内の中で契約書を分かりやすく1回でスマートに説明できる形にすることが重要です。また、諸費用がどの時期に発生し、決済時にいくら支払うのかといった情報も契約案内に含めたいと考えています。

私自身も決済までの流れを簡単に説明していますが、後から質問を受けることが多いです。ですから、一回の書面でしっかりと質問に答えることも重要です。

売買契約から残代金取引までの流れについて

不動産は、売買契約をしてもすぐに引渡しがされるわけではなく、いくつもの手続きが必要です。

その中でも特に重要なのが残金決済です。残金決済とは簡単に言えば買主が売主に対して売買契約時に支払った手付金を除いた残りの代金を支払う手続きです。また同時に書類の確認や受渡しなども行います。

そこで、まずは不動産の売買契約から残代金取引までの手順を確認していきましょう。

物件の種類や地域によって異なる場合がありますが、一般的な流れは以下です。

売買契約から残代金取引までの流れ
  1. 売買契約締結&住宅ローン本申込
  2. お客様と銀行で金銭消費貸借契約
  3. 残代金明細の説明
  4. 残代金取引日程決定
  5. 残代金取引
  6. 引渡し
  7. 登記

この時、売買契約日に残代金取引日を決め、契約時に残金明細の説明をする必要があります。

お客様との面談の日程を決める(残代金取引までのスケジュール表作成)

売買契約が成立したら、次に残代金取引の日程を決めます。

通常は、契約日から1〜2か月後に決済日を設定します。残代金取引に必要な書類や手続きについても確認し、必要なものを準備してもらいます。

残代金取引までに必要な書類や手続きの確認など、その他の面談の日程も事前に決めておくとスムーズです。具体的には、物件の引き渡しや、残代金の支払い方法の説明などが含まれます。

以上の手順で日程が決定したら、スケジュール表を作成します。スケジュール表には、お客様との面談日程、残代金取引の日程、その他の面談日程などが記載されます。このスケジュール表を、お客様にも提供することで、お互いにスケジュールを確認しやすくなります。

司法書士と銀行に問い合わせする時のポイント

残代金取引日の日程は、売主、買主、司法書士、そして銀行の都合を考慮して決める必要があります。

スケジュール案ができたら、司法書士・銀行それぞれに情報を提供しましょう。

この時、司法書士に売主連絡先や、売主の抵当権解除に関する金融機関連絡先、相手側仲介会社連絡先などを伝えてください。

売主買主が決済当日出席するかも合わせて伝えると良いでしょう。司法書士は、この情報をもとに必要な手続きを進めていきます。

銀行には、抵当権設定登記の抹消のために、売主から何日前までに申し出が必要かも確認しておくと良いでしょう。

井口
売主が金融機関に支払う繰上返済手数料があるかも銀行によって異なるため、担当者に確認しながら進めるようにしましょう。

最後に、情報が正しく伝達されたかどうかを確認する必要があります。残代金取引日や支払い期限、金額など、全ての情報が正確に伝えられたかどうかを再度確認しておきましょう。

以上のように、司法書士や銀行への情報提供は、不動産売買において非常に重要な手続きの一つです。情報の精査を怠らず、必要な手続きを正確に進めるよう心がけましょう。

ポイント2:一度ですべて完結させる

売買契約の当日には、事前に銀行から住宅ローンの本申し込み書類などを取得しておきます。

これにより、売却手続きと同じタイミングで、お客様がその場で住宅ローンの申し込みを行えるようになります。

そのため、お客様は別途銀行へ行って手続きをする手間も省けますし、ローンの本手続きについても心配する必要がありません。

私たち仲介会社としては、その書類を代わりに提出することで時間の短縮と安心感を提供できると考えています。そうすれば電話でのフォローアップも減ります。

さらに、これらの事前準備ができていれば、売買契約が終わった当日に

・売買契約書
・売主様買主様の情報
・仲介会社の情報

を司法書士さんにお渡しする事が可能です。

注意
司法書士は決済日が決まっていないと書類のやり取りを行ってくれない場合が多いです。

だからこそ、売買契約の際には売主様と買主様に対して、その場で決済日を決めるように必ずお聞きします。

契約という行為を行う以上、決済日をあらかじめ決めてしまい、手続きがスムーズに進むようにするのは重要です。

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次に残代金明細の作成という業務が出てきますが、それもすぐに対応できます。実際にお客様が決済日をその場で決め、毎月かかる費用や管理費用、固定資産税などの年額をあらかじめ調査しておけば、明細作成もスムーズに行えます。

売買契約の決済が終わった後には、その場で決済の明細を作成・説明を行い「あとは決済の際にお会いしましょう」と伝えています。

お客様も今後のステップが全て分かりますし、当日の決済にもスムーズに済みますし、かなりの時間短縮になります。

ポイント3:事務作業のフォーマット化

月に10件成約できるようになると、営業に割ける時間が足りないと感じていました。

そこで、事務作業をスムーズに終わらせて営業に充てる時間を増やすことが重要だと思います。

例えば、書類を作成する際に20分かけて作るのも良いですが、3分や5分で作成できれば、使える時間が増えます。特に私は10件以上成約が決まり始めて、ようやく「書類作成のスピードをもっと上げることが必要だ」と気づきました。

具体的に何をしたかと言いますと、契約案内書のフォーマット化(テンプレ化)です。
土地バージョン、戸建バージョン、マンションバージョンなど、内容が異なるものを事前にフォーマットを作っておきました。

これにより、後は情報を入力するだけで簡単に作成できるようになりました。

井口
例えば、売主様との契約案内では、現在の借り入れや抵当権抹消のための手続きなどがあります。土地や戸建ての場合は、測量も必要ですので、測量を含めた契約フォーマットを作成し、事前にフォルダ分けしておくと良いでしょう。

契約時に入力する内容が重複することもよくあります。同じ数字を何度も入力するのは時間の無駄ですので、一度入力した情報が別のシートにも反映される仕組みを構築しました。これにより、作業効率も大幅に改善されました。

まとめ

不動産売買で毎月10件以上契約を獲得するためのノウハウをご紹介しました。

限られた時間の中で、新規の顧客を獲得し、既存の顧客と関係を維持し、物件を販売するためには、スケジュール管理をしっかり行うことが大切です。

私自身も以前は手帳に手書きでスケジュールを管理していました。しかし、それゆえに手帳を持っていないと、後で連絡しなければならないことを忘れてしまったり、業務が追いつかなくなることがありました。そのため、現在ではスマホでスケジュール管理するため、Googleカレンダーを活用しています。

これにより、いつでもどこでもスケジュールの調整が可能になりました。小さな変化かもしれませんが、意識的に行動するようになりました。

また、私は書類作成の時間と営業の時間を分けた方が良いと考えます。

複数の案件を同時に進めていく場合、決済や残金など様々な手続きが必要です。そのため何から手を付けて良いか分からなくなる可能性もあります。

したがって、残金処理を行う日・契約を行う日を明確に切り分けて作業を行う事をお薦めします。

井口
決済もできるだけ銀行で行うようにしていますが、決裁の伝票も事前に銀行に説明してもらい、準備してもらうこともあります。また、場合によっては自社の店舗で決済を行い、伝票も事前に銀行に預けておいて、複数の案件を同時に決済する場合もあります。このように、訪問型や来店型の場合はまとめて回ります。

営業の成功には、スケジュール管理の効率化が大いに寄与します。

時間を効果的に使い、必要な業務を迅速かつ効率的に進めることで、営業活動の効率を高めましょう。

これらのノウハウを参考に、日々の営業活動に取り組んでみてください。

今回お伝えした事が、皆さんの営業の一助になれば幸いです!もし不安な点があれば、私たちにご相談ください。

また当メディア「不動産営業の教科書」では、不動産営業の方々に役立つ情報をお伝えしていきますので、ぜひYouTubeチャンネルや、別の記事も参考にしてみてください。

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ABOUT US

井口 忠二株式会社 アスパートナー 代表取締役
明治大学商学部卒業。グロービス経営大学院卒業。 三井不動産グループ会社で8年間不動産売買仲介営業に従事。東京23区でエリアトップセールスを2年連続受賞する。東京と福岡で勤務し、5年連続優秀営業社員賞受賞。 その後、株式会社アスパートナー設立。 公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、MBA(経営学修士)、相続対策専門士、AFPファイナンシャルプランナー、損保トータルプランナー