成功のカギはスキルセット!不動産営業で必要な6つのスキル

この記事を書いた人
井口
不動産会社を経営。これまで自身でも取引総額100億円以上の売買仲介を成約させた経験から、新人営業担当向けに情報発信中
✔公認不動産コンサルティングマスター
✔MBA(経営学修士)
✔ファイナンシャルプランナー
✔パーソナルファイナンス教育インストラクター
✔剣道7段

こんにちは。「不動産営業の教科書」こと株式会社アスパートナ―の井口(@fukuoka_fudosan)です。

不動産営業には多様なスキルが必要です。そこで今回はお客様との信頼関係を築き、成功するためにはどのようなスキルが必要かについて解説します。ぜひ最後まで一読してみてください!

こんな人にオススメ
・不動産営業を始めたばかりの人
・金利、不動産業界に関連する法律などについて知りたい人
・不動産業界に興味がある人

【この記事は動画でも解説しています】

それでは内容を見ていきましょう。

ヒアリング力

成功する不動産営業には、お客様のニーズを正確に理解するヒアリング能力が必要です。

不動産営業を始めた当初、居住用のマンションを購入したいというお客様に、最初の面談で予算や希望のエリア、間取りなど基本的な情報をヒアリングしました。

最初の数件の物件見学では、ヒアリングした基本情報を元に物件を案内しましたが、お客様が特に気に入る様子はありませんでした。そこで、より詳細なヒアリング行いました。

すると家族全員で料理を楽しむことを大切にされていて、広々としたキッチンスペースが必要だという事が分かりました。その結果、お客様が本当に求められていた物件をご案内することができました。

この体験から学んだことは、お客様が抱える願望や好みは、ただお客様が表面的にお話しされることからではなく、お客様を芯から理解する必要があるということです。

このように、お客様に最適な提案を行うためには、お客様の要望や状況を的確に把握し、心から求めているモノを引き出すヒアリング力が鍵となります。

雑談力

雑談力は、不動産営業における関係構築において重要なスキルです。これは、お客様とのコミュニケーションを円滑にし、よりリラックスした雰囲気を作り出すために使われます。雑談力を高めるためには以下の要素が必要です。

雑談力を高めるための要素
  • 共通の話題や趣味の探求: お客様との共通の話題や趣味を見つけることは、打ち解けた関係を築くために役立ちます。例えば、地域の話題、スポーツ、趣味、文化活動など、幅広い分野に関する知識が役立ちます。共通の関心事を見つけることで、お客様との距離を縮めることができます。
  • 親しみやすい会話の提供: フォーマルなビジネスの会話だけでなく、親しみやすくリラックスできる雑談を提供することで、お客様との信頼関係を築きやすくなります。例えば、最近のニュースや話題のイベントについて軽く話題を振ることが効果的です。
  • 会話のバリエーション: 会話の内容にバリエーションを持たせることで、お客様とのコミュニケーションを飽きさせません。多様な話題に対応できる幅広い知識と柔軟な思考が求められます。また、お客様の反応に応じて話題を切り替える機敏さも重要です。
  • リラックスした雰囲気の創出: 雑談は、ビジネスの緊張を和らげ、よりリラックスした環境を作り出すのに役立ちます。このリラックスした雰囲気は、お客様が本音を話しやすい状況を作り出し、より深いレベルでの関係構築に繋がります。

雑談力を高めることで、不動産営業のプロセス全体がよりスムーズに進み、お客様との信頼関係を深めることができます。また、お客様から見て親しみやすい存在となることで、ビジネスの成功に大きく貢献します。

商談力

商談力は、効果的な商談を通じて信頼を築き、お客様を説得する重要なスキルです。

物件の特徴や利点を分かりやすく伝える能力が不可欠であり、その中でもお客様の購買意欲を高めるためには、適切な情報提供や説明が求められます。

具体的な例として、私が以前お客様に投資用物件の提案した際、初めは反応が芳しく無い事がありました。

井口
その理由は、私から提案した物件に対して、お客様が抱いていた期待や要望が明確には伝えきれておらず、物件の魅力が十分に理解されていなかったからです。

そのため、以下のアプローチを取りました

魅力を伝えるためのアプローチ
  1. 物件の周辺エリアの将来の発展性について、地価動向や人口動向の資料を準備して説明
  2. 類似物件との比較を行い、提案物件の特徴を説明
  3. 収支シミュレーションに基づき節税効果について説明
  4. 購入後の管理の条件やアフターフォローについて説明
これらのアプローチが功を奏し、はじめは反応が良くなかった物件を最終的には購入していただくことになりました。

お客様が自身のニーズと照らし合わせて価値を感じられるように、魅力を的確に伝えることが大切です。

信頼関係構築力

信頼関係構築力とは、取引後もお客様との絆を深め、持続的な信頼を築く重要なスキルです。

長期的にお客様と関係を築くためには、アフターケアが不可欠です。取引後だけでなく、お客様との継続的なコミュニケーションを通じて感謝の意を伝え、お客様の状況やニーズを把握することが重要です。

例えば、物件の引き渡し後も積極的なフォローアップや的確な情報提供を通じて、お客様の期待に応え、信頼を築いていくことが肝要です。

あるお客様と初めての取引が成立した際、お客様とのコミュニケーションを維持するために物件の引き渡しが完了した後も積極的にコンタクトを取り続けました。

内容としてはまず取引完了後に、即座に感謝のメールを送りました。さらには物件のメンテナンスや状態に関するフォローアップを行い、お客様の不安や質問を伺い、迅速かつ丁寧に対応しました。

その後も定期的なメールや電話、または会う機会を設けて、お客様の近況やニーズを正確に把握し、お客様に必要な情報を定期的に提供することで、継続的なコミュニケーションを図りました。

その結果、そのお客様から追加で不動産を購入していただき、お客様の紹介までしていただくことができました。

クレーム対応力

クレーム対応力は、トラブルや不満が生じた際に、冷静な対応と誠実な態度を備え、適切な解決策を提供するスキルです。お客様の信頼を守り、問題を迅速かつ効果的に解決することが求められます。

また、クレーム対応力は不動産営業において発生するさまざまな問題やお客様の不満に効果的に対処する能力です。このスキルには以下の要素が含まれます:

クレーム対応力の要素
  • 迅速かつ適切な対応: クレームが発生した場合、迅速かつ適切に対応することが重要です。クレームの内容をしっかりと理解し、お客様が納得する解決策を提案することが求められます。迅速な対応は、お客様の不満を最小限に抑え、信頼関係を維持するために不可欠です。
  • 積極的なコミュニケーション: クレームに対しては、積極的にコミュニケーションを取り、お客様の不安や疑問を解消することが重要です。お客様の声を真剣に聞き、感情的にならずに冷静に対応することで、問題解決に向けた建設的な話し合いが可能になります。
  • 改善策の提案と実施: クレームの原因を特定し、改善策を提案し実施することで、お客様の信頼を取り戻すことができます。たとえば、物件の不具合に対して迅速に修理を手配したり、誤解を招いたコミュニケーションを改善するためのトレーニングを受けたりすることが挙げられます。
  • 長期的な視点での対応: クレーム対応は一時的な解決に留まらず、長期的な関係構築のチャンスと捉えることも重要です。お客様の不満を解消することで信頼を回復し、今後のビジネスチャンスを生み出すことが可能です。
クレーム対応力を高めることは、不動産営業におけるお客様満足度の向上とリピートビジネスの確保に直結します。この能力を持つことで、難しい状況でもプロフェッショナルな対応が可能になります。

クロージング力

クロージング力は、不動産営業の成果を決定づける重要なスキルです。これは、お客様が最終的に購入を決定するための支援と懸念の解消を行う能力を意味します。クロージング力を高めるためには以下の要素が必要です。

クロージング力の要素
  • お客様の懸念を理解し解消する: 成約を達成するためには、お客様が抱える懸念や不安を理解し、それらを解消することが重要です。たとえば、資金面での心配や物件の将来価値に関する疑問など、お客様が持つ疑問点を明確にし、適切な情報や保証を提供して安心を与えます。
  • 適切な後押し: お客様が決断するための適切に後押しすることも重要です。これは、強引な売り込みではなく、お客様が物件に対する興味を持続させ、タイミングを逃さないように促すためのものです。例えば、市場の動向や他の潜在的な買い手に関する情報を共有することで、決断を促します。
  • 信頼関係の構築に基づくアプローチ: お客様との信頼関係に基づいてクロージングを行うことは、非常に効果的です。事前に築いた関係を活かし、お客様が安心して決断できるように支援します。この信頼は、お客様が決断に至る過程で重要な役割を果たします。
  • 決断を促す提案: お客様が最終的な決断を下しやすいように、具体的かつ魅力的な提案を行います。たとえば、購入に至るためのステップや資金計画、今後の見通しに関する明確な説明を行うことで、お客様はより自信を持って決断できるようになります。
クロージング力を高めることで、不動産営業は成約率を向上させることができ、長期的な成功に繋がります。

まとめ

不動産営業の成功には幅広いスキルセットが求められます。お客様のニーズを的確にヒアリングし、適切な提案を行うコミュニケーションスキル、商談やクロージングにおいては信頼を築き、お客様の購買意欲を引き出すスキルが不可欠です。

また、フォローアップやクレーム対応など、取引後の関係構築やトラブル解決能力も重要です。さらに、雑談ネタを巧みに使いながら、お客様との信頼関係を深めていくことも重要なスキルです。これらのスキルをバランス良く磨き上げることで、優れた不動産営業のプロフェッショナルとして活躍できるでしょう。

今後も私たちはブログやYouTubeを通して情報発信していきます。こうした場を利用して学びを深め、よりスムーズに取引ができるようになって頂ければと思います。

もし不安な点があれば、私たちにご相談ください。今回お伝えした事が、皆さんの営業の一助になれば幸いです!

当メディア「不動産営業の教科書」では、不動産営業の方々に役立つ情報をお伝えしていきますので、ぜひYouTubeチャンネルや、別の記事も参考にしてみてください。

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また、この度「不動産営業の教科書」が電子書籍になりました。ブログでは伝えきれない基本的な事や、不動産営業のプロとして知っておきたい事など、私が不動産営業を始めたばかりの時に知りたかった事を存分に載せています。

井口
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ABOUT US

井口 忠二株式会社 アスパートナー 代表取締役
明治大学商学部卒業。グロービス経営大学院卒業。 三井不動産グループ会社で8年間不動産売買仲介営業に従事。東京23区でエリアトップセールスを2年連続受賞する。東京と福岡で勤務し、5年連続優秀営業社員賞受賞。 その後、株式会社アスパートナー設立。 公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、MBA(経営学修士)、相続対策専門士、AFPファイナンシャルプランナー、損保トータルプランナー