不動産営業の基本的な業務はこの4つ!主な業務内容を徹底解説!

この記事を書いた人
井口
不動産会社を経営。これまで自身でも取引総額100億円以上の売買仲介を成約させた経験から、新人営業担当向けに情報発信中
✔公認不動産コンサルティングマスター
✔MBA(経営学修士)
✔ファイナンシャルプランナー
✔パーソナルファイナンス教育インストラクター
✔剣道7段

こんにちは。「不動産営業の教科書」こと株式会社アスパートナ―の井口(@fukuoka_fudosan)です。

不動産営業担当者は、顧客との信頼関係を築きながら、さまざまな不動産取引をサポートする重要な役割を果たしています。私たちはどのような業務を通じて、お客様のニーズに応えているのでしょうか。

そこで今回は、不動産営業の主な業務内容についてお伝えしていきます

こんな人にオススメ
・不動産営業を始めたばかりの人
・不動産営業の基本的な業務について知りたい人
・不動産業界に興味がある人

【この記事は動画でも解説しています】

それでは内容を見ていきましょう。

不動産営業の主な業務内容

1. 売買仲介

売買仲介は、不動産の売買取引を仲介する業務です。

営業担当者は売主と買主の間に立ち、物件の詳細情報を提供し、交渉を行います。売却希望者の物件の適切な価格設定や買い手のニーズに合った物件の紹介など、幅広いスキルが求められます。

井口
ここで、売買仲介において私が営業を始めた当初経験したことをお伝えします。

ある不動産取引で、下記のように売主様・買主様のご希望に相違があり、条件や引き渡しのタイミングについて双方の合意が難しいという事がありました。

買主様は「買主は3ヶ月後以降の引渡しを希望」
売主様は「出来るだけ早期の引渡しを希望」

しかし、慎重な調整と丁寧なコミュニケーションを通じて、買主・売主が何を求めているかを正確に把握し、最終的には双方が納得できる条件での取引が成立しました。

慎重な調整と丁寧なコミュニケーションとは
  1. 価格交渉の調整
    売主が期待する価格と買主が支払いたい価格のギャップがある場合、慎重な価格交渉が必要です。営業担当者は市場動向や物件の特徴を考慮し、公正で合理的な価格を提示し、双方が納得できる価格合意に調整します。
  2. 条件や引き渡しのタイミングの調整
    引き渡しの時期や物件の条件に関する調整も不可欠です。買主が特定の時期に引き渡しを希望する一方で、売主が早急な引き渡しを望む場合、営業担当者は両者の要望をバランス良く取り入れ、調整を行います。
  3. ニーズの把握
    買主・売主が何を求めているかを正確に把握するためには、定期的かつ効果的なコミュニケーションが不可欠です。営業担当者は面談や電話、メールなど様々な手段を活用し、双方の要望や懸念を丁寧にヒアリングし、進捗や変更点を迅速に共有します。
  4. 透明性と誠実なコミュニケーション
    不透明な状況が続くと信頼が損なわれる可能性があります。営業担当者は透明性を保ちながら、物事を率直に伝え、誠実なコミュニケーションを心掛けます。これにより、買主様・売主様は信頼感を感じ、協力的に取引に臨むことができます。

最終的に

「買主様は金額の減額を強く希望していたため、売買金額を減額し、売主の希望通りに引渡しを早める方向で調整」

する事で、無事成約しました。

このように、売買仲介の過程では大変な調整を伴うことが多くあります。しかし、顧客との信頼関係を築くための重要な一歩であり、チャンスであるとも言えます。

2. 賃貸仲介

賃貸仲介は、不動産の賃貸取引を仲介する業務です。営業担当者は賃貸物件のオーナーや入居者(個人・テナント)との間で交渉を行い、適切な条件で契約を成立させます。物件の選定から契約の締結まで、お客様の要望を理解し、適切な提案を行うスキルが重要です。

賃貸仲介では、入居者が希望とする条件の全てが合致する物件はほとんどありません。

そこで、まず入居者が求める条件における優先順位を確認した上で、賃貸物件のお探しを実施します。また、合わせて、入居者の生活レベルに合わせて現実的に支払可能な賃料を一緒に考えていきます。

そうすることで、お客様は安心した家計管理と、新居での快適な暮らしの両方を実現できることに繋がります。賃貸仲介成約のためには、入居者のライフスタイルについて一緒に考えていくことが成功の鍵となります。

3. 買取再販

買取再販は、不動産を買い取り、リフォームや改装を行った上で再販する業務です。営業担当者は、買取対象物件の選定やリフォームの計画、販売戦略の立案などを担当します。市場ニーズを把握し、付加価値を提供することで、効果的な再販を実現します。

ある買取再販プロジェクトでは、買い取った物件が予想以上に大規模なリフォームが必要な状態でした。予算オーバーとなる可能性が高まり、同時に再販価格の設定にも難航しました。この時、市場の需要と供給バランスを見誤らないことが極めて重要でした。

最初はリフォーム予算を抑えるために必要最低限の改修に絞り込む案も検討しましたが、同時に競合他社のリフォーム済み物件と差別化する必要性も感じていました。そこで、クオリティの高いリフォームを実現するために、信頼できる工務店との提携を強化しました。

その結果、リフォーム予算はオーバーせずに、予想以上の仕上がりとなりました。同時に、競合物件との差別化が果たされ、再販価格も納得のいくものになりました。しかし、これは慎重な調整と計画的なリフォームによるものであり、市場調査の重要性を改めて痛感しました。

買取再販業務においては、物件の状態や市場動向の正確な把握が成功の鍵です。リスクを最小限に抑えながらも、市場で競争力を持つリフォームやプロモーション戦略を構築することが不可欠です。

4. 管理業務

管理業務は、オーナーから委託された不動産の管理・運営を行う業務です。営業担当者は、賃貸物件の入居者対応やメンテナンスの調整、家賃収納管理などを行います。物件の状態を適切に保ち、オーナーとテナントの双方に満足感を提供する重要な役割です。

物件管理にはオーナーに様々なコストがかかります。過去に1棟マンションオーナーから管理コスト削減について相談を受けました。他社が管理している物件でしたが、業者や清掃頻度、点検頻度の見直しを行った結果、年間50万円のコスト削減に繋がり、管理を受託する事ができたという事例があります。

また、不動産営業をやっていると、空室が長期化しているといった相談も度々寄せられます。

空室が長期化する大きな要因
  • 不動産会社が適切な募集を行っていない
  • 周辺相場を勘案した募集賃料設定になっていない
  • 入居希望者へ物件の好印象を提供できていない

募集条件の見直しや正確な募集活動を行うことで、長期にわたる空室を避け、高入居率を維持することが重要です。これにより、入居者とオーナーの双方にとって理想的な状態を築き上げ、不動産投資の成功に寄与します。

まとめ

不動産営業担当者は、売買仲介や賃貸仲介など幅広い業務を通じて、顧客のニーズに応え、不動産取引を支援しています。彼らの専門知識やコミュニケーション能力によって、お客様との信頼関係を築きながら、円滑な取引を実現する役割を果たしています。

今後も私たちはブログやYouTubeを通して情報発信していきます。こうした場を利用して学びを深め、よりスムーズに取引ができるようになって頂ければと思います。

もし不安な点があれば、私たちにご相談ください。今回お伝えした事が、皆さんの営業の一助になれば幸いです!

当メディア「不動産営業の教科書」では、不動産営業の方々に役立つ情報をお伝えしていきますので、ぜひYouTubeチャンネルや、別の記事も参考にしてみてください。

※お問い合わせ 営業研修、セミナーなどのご依頼はこちらのコンタクトフォームよりご相談ください。

ABOUT US

井口 忠二株式会社 アスパートナー 代表取締役
明治大学商学部卒業。グロービス経営大学院卒業。 三井不動産グループ会社で8年間不動産売買仲介営業に従事。東京23区でエリアトップセールスを2年連続受賞する。東京と福岡で勤務し、5年連続優秀営業社員賞受賞。 その後、株式会社アスパートナー設立。 公認不動産コンサルティングマスター、宅地建物取引士、MBA(経営学修士)、相続対策専門士、AFPファイナンシャルプランナー、損保トータルプランナー