この記事を読むと、住宅ローンにおける公的融資と民間融資の特徴が分かります。
こんにちは。不動産営業の教科書こと井口(@fukuoka_fudosan)です。
お客様から住宅ローンの相談があった際に、どういう住宅ローンをご提案するか迷いますよね?
・お客様にメリットがあるのはどのローンだろう?
・公的融資と民間融資ってどっちが良いんだっけ?
・銀行間でどれくらい金利や手数料が違うんだろう?
このように住宅ローンは種類が多いが故に、どれを選べばいいかわからない営業担当の方もいるのではないでしょうか。
・公的融資と民間融資の違いを知りたい
・固定金利と変動金利どちらをご提案すべきか知りたい
そこで今回は、不動産営業担当の基礎知識として「住宅ローンの種類とその特徴」を徹底解説していきます。
【この記事は動画でも解説しています】
目次
住宅ローンの種類は?
不動産営業をしていると、必ずと言っていいほどお客様から住宅ローンに関する質問を受けます。そこで、まずは住宅ローンの種類についてご紹介したいと思います。
住宅ローンには、公的融資と民間融資があります。
一般的に「公的融資 = フラット35」というイメージがあると思いますが、厳密には公的にも民間にもフラット35はあります。
今回は、住宅ローンを組む際に皆さんが提案することが多いと思われるフラット35と財形住宅融資について解説していきます。
フラット35とは
フラット35とは、全期間固定金利型で金利変動がないのが特徴です!
つまり、返済が終わるまでの金利と総返済額が確定するため、今後金利の上昇が不安なお客様に対して選択肢の一つとしてご提案しています。
固定金利型のフラット35は、一般的な民間の住宅ローンよりも高い傾向にあるため「今後本当に金利は高くなっていくのか」というのが判断のポイントになります。
最近のトレンドとしては、変動金利を選ぶお客様が多いです。理由は、変動金利型は金利が低く、1.0%を下回るケースも少なくないからです。かつては借入額の倍と言われた総返済額も、この水準になると6~9%増といった程度です。
なお、変動金利は半年に1回金利が変わりますが、それでも平均すると固定金利よりも低い傾向にあります。
フラット35はどこで借りれるのか?
フラット35は、都市銀行、信託銀行、地方銀行、第二地方銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、信農連など、幅広い金融機関から選ぶことができます。
また、同じ「フラット35」という名前でも、銀行によって金利は変わります。
さらに、融資を受けるための事務手数料も異なります。例えば、某銀行では融資額の2%程度ですが、3000万借りるとなるとそれだけで事務手数料が60万くらいします。したがって、どの金融機関を選択するかは営業担当者としての腕の見せ所でしょう。
フラット35で注意すべき点
フラット35は、固定金利という以外に、もう一つ通常の民間ローンとの違いがあります。
通常の住宅ローンは団体信用生命保険に加入しますが、フラット35の場合は任意加入です。
生命保険会社が住宅ローン残高に相当する保険金を銀行に支払い、債務の返済に充てる仕組みとなっています。
任意加入のため以外に見落とす事も多いので、「加入の要否」と「別途費用が必要である」ということもお客様にお伝えしなくてはなりません。
ただし、契約者が3年以内に手術をしているなど健康状態によっては加入できないこともあり、契約時には慎重な検討が必要です。
一方で、変動金利型は団体信用生命に強制的に加入することになりますが、ローンの本審査の際に「告知事項」として病歴などを記入することになります。この時にNGとなるとローンを受けられないという事になるので、売買契約前や事前審査の際にお客様にヒアリングしておくと良いでしょう。
財形住宅融資
大きな会社に勤めている方に多いのが財形住宅融資、いわゆる「財形」と言われる制度です。
例えば月に5万ためて、年間60万円、10年間で600万円になりますよね。この貯めた金額の〇倍までは借りることができ、、かつ金利も比較的低く借りる事ができるという制度です。
実際にその制度を行使する場合は、私たち営業担当が会社の財形担当の方とやり取りする事になります。
その際、どのような流れで手続きが進むのか、金利や日程感を確認する必要があります。
会社によって金利も全く異なり、場合によっては民間融資の金利の方が安くなるというケースもあるので、要注意です。
ただ、元々住宅財形の場合はずっと積み立てている人が多く、なおかつあくまでも「積立額の〇倍までは借りる事ができる」という制度なだけですので、実際に使っている方は少ない印象です。
ローンの借り方
次にローンの借り方について説明します。住宅用のローンの場合、「自分一人で返済していくのは不安だ」「より多くの融資を受けたい」と言ったお客様には、親子や夫婦で住宅ローンを組む方法をご提案しています。
その方法がペアローンと収入合算です。一人の収入ではなく、世帯年収で住宅ローンを組むことができるのは大きなメリットです。しかし、ペアローンと収入合算には違いがあります。
ペアローン
ぺアローンは、例えばご主人と奥様がそれぞれ2000万円ずつローンを組めば、それぞれが住宅ローン控除を受ける事ができます。
この場合、残念ながら先にご主人様が亡くなった場合、ご主人様の2000万円のローンは団体信用生命保険でゼロになりますが、奥様のローンはそのまま残ってしまいます。
なお、ペアローンを組んだ際は、不動産の名義を土地建物それぞれ半分ずつ持つ必要があります。
また、その場合は銀行の事務手数料も2倍になってしまうため要注意です。
収入合算
収入合算の場合、例えばローンが4000万円でご主人様だけの名義で組んでいるとすると、ご主人様が亡くなった場合はローンがすべて0になります。したがって、奥様はローンを組んでいないため生活は安定することになります。
ただ、連帯保証人にならないといけないケースもあるので、その場合は金融機関の担当者と事前に細かいすり合わせをしてください。
ローンの返済方式
次に返済方法です。住宅ローンを返済する場合、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2つの方法があります。これらの特徴をご紹介します。
元利均等法式
元金均等返済に比べて、返済開始当初の返済額を少なくすることができます。
同じ借入期間の場合、後述する元金均等返済よりも総返済額が多くなり、借入金残高の減り方が遅くなります。
最終的に35年ローンなどを組むと非常に高額な支払いになるのが特徴です。
ただし、前述のとおり返済開始当初の返済額が少ないため、元利均等法式で返済する方が多い傾向にあります。
元金均等法式
元利均等返済に比べて、元金の減少が早いため同じ借入期間の場合、元利均等返済よりも総返済額は少なくなります。
ただし、返済開始当初の返済額が最も高いため、当初の返済負担が重く、借入時に必要な収入も高くなります。
不動産に詳しく、総額の返済を少なくしたいという方が、この返済方法を選ぶ傾向があります。
返済終了までを見据え、収入・支出の見込みや定年・退職の時期などを考慮した返済方法や借入期間をご選択ください。
変動金利と固定金利どちらを選択するべき?
ここまで、ローンの種類や返済方法についてお伝えしましたが、最後に金利についてです。
私は20年間不動産営業していますが、結局変動金利と固定金利はどちらがお得なのか?という質問を受けることがよくあります。
この20年間の経験を通してみてみると、結果的にフラット35などの固定金利よりも変動金利の方が金利が安かったです。
当時の固定金利だと2.0%などざらにありましたが、一方最近の変動金利だと1%を下回るケースもあります。
これまでの歴史や現状を踏まえると、やはり変動金利を続けていた方が良いと思います。
まとめ
今回は、「住宅ローンの種類とその特徴」についてお伝えしてきました。
金利や返済方法については、お客様のライフスタイルや将来設計によって考え方は様々です。
したがって、お客様から十分ヒアリングした上で最適な提案をしていただけると幸いです。
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